2005.06.27
コールドリーディング
育毛剤と同じにおいがする本
コールドリーディングって話術があるそうです。 "Cold" には「全く準備無しで」というニュアンスがあり、 "Reading" には「占う」なんて意味があるそうで、コールドリーディングとは「全く準備無しで相手の心を読み取る」って意味だそうですよ。 なかなか尋常ならざる話術ではないですか。人の革新は旧世紀に始まろうとしているのでしょうか。こんな事が出来るというのなら、是非学んでいきたい。たかだか1300円で学ばせていただけるなんて、この方はなんて寛大なのでしょうか。
とまあ、胡散臭さ100%で煽ってみましたが、そこはそれ。やっぱり何がアレな訳なんですよ。コールドリーディングという技術は、確かにある場面においては成果を発揮する可能性を感じましたが、有益な情報を引き出そうとすればする程、本人への危険性も加速度的に高まっていく訳でして。
帯には誇らしげに「信頼関係を作るテクニックです!」とか書いてありますけどね、ああ確かにそうですね、コールドリーディングを行っている事実が相手方に発覚しない限りにおいては、絶大な、ほとんど神懸かり的な信頼度を作る事が出来ると思いますよ。
そしてバレた瞬間に、コールドリーディングによってもたらされた結果が例え良いものであったとしても、すべての信頼関係は崩壊して、2度と取り戻す事は出来なくなります。
コールドリーディングの神髄とは、初対面で相手の気持ちを理解できるようになることではなく、相手の記憶を引っ掻き回して出て来た断片をして、さもすべてを知っていたかのように振る舞う後だしジャンケンの方法なんです。残念ながらニュータイプに導いてくれる訳ではありません。
営業先で利用する程度なら問題ないと思いますが、これ、家族とか彼女とかに使うのはリスクがでかすぎると思いますよ。大体そこまでしないとコミュニケーションがとれないってことの方が問題な訳で。
懸命な方はお気づきかもしれませんが、この本自体がコールドリーディングの手法に犯されています。著者自身はカウンセラーという立場から言及している為に、コールドリーダーとしての犯罪性からは隠蔽されています。これをコールドリーディングの手法でミディアムと言います。
また、コールドリーディングの手法を公開するとしながら、最終章の "コールドリーディングを日常で活用する方法" ではさほど具体的な例は提示されていません。特に、誰もが気になる恋愛の事例に付いては、誕生日を忘れていたときのかわし方なんてどうでもいい事例が挙げてあってトホホです。
ここからがある種コールドリーディングの真骨頂と言えるのですが、本書を読み終わった読者は、さして有用な情報がなかったにもかかわらず、とにかくコールドリーディングはすばらしいと催眠状態に陥ります。この本だけでは物足りないと、もっとコールドリーディング、或は著者に付いての事が知りたいと考えます。
ハイ、そこに現れました公式サイト。その名もズバリの "+SUBLIMINATION+" 。いわゆる一つのツボです。消化器です。羽毛布団です。うっかり僕も見ちまいました。
ここには一般流通はしていない書籍がかなりの高額で販売されています。中身がわからないので何とも言えませんが、専門書レベルの詳細な記述がなされているとは考えにくいです。だってサイトデザインがアメリカのマルチそのままのえげつないデザインだし。ありえません。
もしかすると、ものすごく有用な事が書いてあるかもしれません。でも僕が思うに、そのものすごく有用な事が書いてあるであろう高額な書籍の最後には、かなりの確率で特別セミナーへの参加申込書が添付されてると思いますよ。
本書を読んでいただけるとわかるんですけど、催眠術師は催眠状態に非常に陥りやすい体質の方だけを選んでショーを行うそうです。ネット本まで購入してもらって、なおかつセミナーに申し込みまでしてもらってるんですから、この上ない上客ですよね。白バイ野郎カモ&ネギーですよ。噂の刑事カモとネギーです。
ここまでボロカスにけなしてみましたが、コールドリーディングの犯罪性は否定できないところなんですけれども、逆もまた真なりであるという事を付け加えておきたいと思います。これだけヤバい誘導をしているという事は、コールドリーディングという技術はホンモノであるって証明でもあります。
名だたるビジネス本の内容が、読んでみたら時代遅れのノスタルジックに溢れている事はよくある事です。そりゃそうですよ、現場に使えるノウハウをそう易々と公開していたら、敵を増やすだけですからね。断言しますが、ビジネス本に実践できる内容のものは存在しません。しゃぶり尽くしたネタで最後に一花咲かせようって魂胆ミエミエ。
それに比較すると、小賢しい仕掛けを仕込んでいる "一瞬で信じ込ませる話術コールドリーディング" が誠実に見えてくるのは僕だけでしょうか。
ぶっちゃけこの技術は毒薬です。育毛剤を一度使い出すと効果があろうがなかろうが生涯使い続けるはめになるのと同じです。試用をやめたらそれで生えてこなくなるかもしれないし、使い続けていればいつかは生えてくるって脅迫商法ですね。
嘘がバレない自信、もしくはバレてもシラを切り通す技術があるなら使ってみるのも面白いと思います。さおだけ屋さんの本を読むよりは面白いと思いますよ。僕は嘘をつくと顔に出るので無理ですすんもはん。
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2005 06 27 09:58 午後 [書籍・雑誌] | 固定リンク
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COMMENT
通りがかりで拝見させて頂きました。あたいも読みましたぁ。ヤバイヤバイ。買っちゃうところでしたよ。CDとかね。こちらの書評読ませていただいて、よかった・・・・。しかし面白い書評でした!またあそびにきまーす♪
投稿者: chromophobia (2005/08/04 13:10:29)
この本って引き込まれるように一気に読んじゃいますよね。
そういった意味ではコールドリーディングってホンモノだなぁってしみじみ思います。
なんかね、それ以来微妙に考え方が影響されてたりしますよ。あいつは鞄を右に持ってるからMeだ。とかね。
投稿者: amerio (2005/08/05 0:18:28)
すばらしい解説ですね。私は心理業界のウソとホントを専門に書いていますが、私が書きたいと思っていたことがほぼすべて書いてありました。
他に、この石井氏がよく言うMeとMeタイプとかEとPタイプってのは眉唾物で理論的にはおかしいです。実際に、すべての条件を統制していざ実験してみるとチャンスレベルぐらいでしか当たりません。でもみんなそんなことには気づかない。当たった占いは覚えていて、外れた占いはすぐに忘れてしまうのと同じですね。
思いっきり時期を外してしまいましたがすばらしい書評なので思わずコメントさせていただきました。
投稿者: 釈田 (2006/02/16 23:10:37)
私はコールドリーダーです
投稿者: ぎゃおす (2006/05/15 1:33:31)
コールドリーディングのDVDを見つけました
投稿者: コールドリーディング (2007/10/15 1:53:27)
結局何が言いたいの?
投稿者: ff (2008/07/01 21:30:41)
























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